作業標準
食品は危険物でないが故に、設備も作業もお客様各社様々で、安全と品質の基準の
差が大きいのが現状です。 また、本来 お客様で管理して頂くほうが良いものも
多々あります。 現場状況も非常にリスクが多く、ドライバーのマンパワー依存の
納入先もあります。商習慣もあり一律には規定できませんが、過去のように曖昧に
は片付けられない傾向が強くなっている昨今、安全・品質保持のために標準点を
設けることは今後の重要事項と考えています。過去は運送業者の責任で片付いていたことが、
現在はSNSの発達ですぐにクローズアップされるリスクを考えると、事故防止と
品質保証は責任の所在に関わらず、関係者全社共通の絶対的な優先事項です。
【 車 両 標 準 】
▷  食用油脂用 タンクローリー
輸送商品 : 大豆油・菜種油(キャノーラ油)・米油・綿実油
                      ゴマ油・パーム油・ひまわり油 等
  タンク材質  : ステンレス
  搭載ホース  : 3m × 2本
                
▷  水溶性食品用  タンクローリー
輸送商品 : 液糖・異性化糖・ソルビトール 等
 タンク材質 :  ステンレス
 搭載ホース :  3~4m
※ 原則的には車両に搭載している装備品での作業となります。
別途、特殊な接続金具・ホース・資材等が必要な場合は、協議事項となります。
上記は、一般的な仕様であり、すべて 一致するものではありません。
【 標 準 作 業 】
▷ 積込手順 平均所要時間 30分 ~ 60分
積込商品・数量(相互確認)→ ホース接続→ 液送→ 積込完了
→ ホース取り外し→ 積込後商品・数量(相互確認)→ 封印
→ 伝票発行
▷ 荷卸手順 平均所要時間 30分 ~ 60分
お客様名・商品名・数量(相互確認)→ 封印確認→
「全量が入るか否か」の確認 (判断はお客様にて)→ ホース接続
→ 液送→ 荷卸完了→ ホース取り外し→ 納入後(相互確認)
   → 受領 
【 協会が考える 品質・安全の 作 業 標 準 】
現状は、長い商習慣の中で様々な作業形態があります。なかには危険度・品質的に
リスクの高いところが有りながらも、これらを現実的に実行できているのは、
各社の熟練のドライバーの技量によるところであり、それをこなしているという
自信も各社にはあります。 しかしながら、これからの社会の求める品質・安全性を
勘案すれば、作業の分担や環境に改善の余地があります。
下記に標準を定義しました。
基準は安全性および設備の所有と責任の所在に基づいて判断しております。
この標準を前提として、相互確認を実施頂ければ安全性を高めることができます。
| 
 項 目  | 
 標 準  | 
 例外対応  | 
 例外対応した場合 のリスク  | 
| 
 ホース  | 
 1本接続  | 
 2本接続 延長ホース (原則不可)  | 
 漏れ 品質保持  | 
| 
 ゲージ確認  | 
 お客様管理  | 
 補助的に実施  | 
 漏洩  | 
| 
 作業時   バルブ操作  | 
 ローリー側のみ  | 
 両方  | 
 誤納入  | 
| 
     設備内 バルブ操作  | 
 お客様にて実施  | 
 原則不可  | 
 漏洩 コンタミ  | 
| 
 開錠・施錠  | 
 お客様にて実施  | 
 
  | 
 誤納入 品質保証  | 
| 
 納品箇所  | 
 1カ所・1卸口  | 
 2か所以上  | 
 漏洩 品質保持  | 
| 
 封印管理  | 
 お客様にて実施  | 
 代行  | 
 
  | 
【 その他の事項 】
▷  ポンプについて
品質上、荷役ポンプはお客様の設備側での設置をお薦めしております。
車載ポンプはあくまでもポータブルポンプであり、設置場所および動力源の制約の下で、
かつ汎用として選択・設置されています。また、車載ですので工場設置のポンプよりも
過酷な環境下にあり、月間数千kmという長距離の走行中の振動、雨・気温変化等の
影響をすべて受けています。
現在輸送している商品上の品質については、30年以上の実績があり問題はございませんが、
今後の品質基準を高めるためには工場設備側ポンプのご使用を強くお勧めしております。
設備側ポンプ設置のメリットは大きく2点ございます。
①品質担保
ポンプの設置環境、および商品にとって品質上最適な選択が可能です
②荷役時のホースからの漏洩問題の解消
車載ポンプの荷卸しでは最も圧力に最も弱いホース部分に高い圧力がかかり、漏洩・流出の
リスクと万一の際の被害を増大させますが、設備側ポンプを使用して頂くことで屋外、ホース部の
圧力は常圧または負圧になり安全性を大きく改善できます。
過去の経緯から、タンクローリーにポンプが搭載されていることが一般的ではございますが、
許容範囲の広い過去の品質基準、安全基準が前提であり、品質・安全性の向上のためには
有効な改善ポイントです。