標準的な運賃

一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃

※ページ末尾にタンクローリー用の計算の参考を記しています

( 令和 6 年 国土交通省告示 第 209 号 )                  

1. 距離制運賃表              

pdf 標準運賃 距離制 20240322.pdf (1.75MB)  pdf 標準運賃 距離制近畿運輸局 20240322.pdf (0.13MB)

 

2. 時間制運賃表  

pdf 標準運賃 時間制 20240322.pdf (0.32MB)

 

3. 運賃割増率 

特殊車両割増

  冷蔵車・冷凍車

 小型車、中型車、大型車又はトレーラーの2割

  海上コンテナ輸送車

 トレーラーの4割

  セメントバルク車

 大型車又はトレーラーの2割

  ダンプ車

 大型車の2割

  コンクリートミキサー車

 大型車の2割

  タンク車   石油製品輸送車  大型車又はトレーラーの3割
  化成品輸送車  大型車又はトレーラーの4割
  高圧ガス輸送車

 大型車又はトレーラーの5割以上

 

 【休日割増】         

日曜祝祭日に運送した距離に限る      2割

 

 【深夜・早朝割増】

 

午後10時から午前5時までに運送した距離に限る     2割  

 

 4. 待機時間料

時間 \ 車種別

小型車

(2tクラス)

中型車

(4tクラス)

大型車

(10tクラス)

トレーラー

(20tクラス)

30分を超える場合において

30分までごとに発生する金額

1,680円 1,760円 1,890円 2,220円

VIに定める積込料・取卸料の適用時間と

併せて2時間を超える場合において

30分までごとに発生する金額

2,010円 2,110円 2,270円

2,670円

 

5. 積込料、取卸料、附帯業務料

【積込料・取卸料】

時間/内容  \  車種別 

小型車

 (2tクラス)

中型車

(4tクラス)

大型車

(10tクラス)

大型車

(10tクラス)

30分までごとに発生する金額

フォークリフト又は

トラック搭載型クレーンを

使用した場合

2,080円 2,180円 2,340円

2,750円

手積みの場合 2,000円 2,100円 2,260円 2,650円

Vに定める待機時間料の適用時間と

併せて2時間を超える場合において

30分までごとに発生する金額

フォークリフト又は

トラック搭載型クレーンを

使超え利場合

2,490円 2,610円 2,810円 3,300円
手積みの場合 2,400円 2,520円 2,710円 3,180円

 

【附帯業務料】

  附帯業務を行った場合には、運賃とは別に実費として収受

 6. 利用運送手数料

  運賃の10%を当該運賃とは別に収受

 7. 有料道路利用料

  有料道路を利用した区間の料金を別に定めるところにより収受

 8. その他実費として収受すべき費用

   フェリー利用料、特殊車両通行関係費用、中継輸送における施設使用料その他の費用が発生した場合には、運賃とは別に実費として収受

 9. 燃料サーチャージ

  1.以下の算出方法に基づいて算出するものとする。

   基 準 価 格 : 120.00円/Ⅼ

    改定の刻み幅 : 5.00円/L

   改 定 条 件 : 改定の刻み幅5.00円/Ⅼの幅で軽油価格が変動した時点で、翌月から改定する。

   廃 止 条 件 : 軽油価格が120.00円/Ⅼを下回った時点で、翌月から廃止する。

   計  算  式  : (距離制運賃)

                           走行距離(km) ÷ 車両燃費(km/Ⅼ) × 算出上の燃料価格上昇額(円/Ⅼ)

               (時間制運賃)

                平均走行距離(km) ÷  車両燃費(km/Ⅼ) × 算出上の燃料価格上昇額(円/Ⅼ)

               (個建運賃)

                1個又は1重量あたりの運賃の算出にあたって用いた距離制運賃又は時間制運賃の計算式に準ずる。

 ※標準的な運賃の設定に係る原価計算においては、燃料費を120.00円/Ⅼとして算出していることから、燃料サーチャージの基準価格も

  120.00円/Ⅼとして設定している。

  各運送事業者が燃料サーチャージを導入する際は、「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」(平成24年5月16日最終改定)も

  参考にしつつ、当該運送事業者が自社の運賃の設定に係る原価計算において基準とした燃料費を燃料サーチャージの基準価格として設定することが

  望ましい。

 

 2.燃料サーチャージの改定条件と算出上の燃料価格上昇額テーブルは下表のとおりとする。

調達している軽油価格

燃料サーチャージ

算出上の代表価格

燃料サーチャージ

算出上の燃料価格上昇額

基準価格 120.00 円/Ⅼ
        ~     120.00  円/Ⅼ 廃止
120.00   ~   125.00  円/Ⅼ 122.50 円/Ⅼ 2.50 円/Ⅼ  
125.00   ~   130.00  円/Ⅼ 127.50 円/Ⅼ 7.50 円/Ⅼ
130.00   ~   135.00  円/Ⅼ 132.50 円/Ⅼ 12.50 円/Ⅼ
135.00   ~   140.00  円/Ⅼ 137.50 円/Ⅼ 17.50 円/Ⅼ
140.00   ~   145.00  円/Ⅼ 142.50 円/Ⅼ 22.50 円/Ⅼ
145.00   ~   150.00  円/Ⅼ 147.50 円/Ⅼ 27.50 円/Ⅼ
150.00   ~   155.00  円/Ⅼ 152.50 円/Ⅼ 32.50 円/Ⅼ
155.00   ~   160.00  円/Ⅼ 157.50 円/Ⅼ 37.50 円/Ⅼ
160.00   ~   165.00  円/Ⅼ 162.50 円/Ⅼ 42.50 円/Ⅼ
165.00   ~   170.00  円/Ⅼ 167.50 円/Ⅼ 47.50 円/Ⅼ
170.00   ~   175.00  円/Ⅼ 172.50 円/Ⅼ 52.50 円/Ⅼ
175.00   ~   180.00  円/Ⅼ 177.50 円/Ⅼ 57.50 円/Ⅼ
180.00   ~   185.00  円/Ⅼ 182.50 円/Ⅼ 62.50 円/Ⅼ
185.00   ~   190.00  円/Ⅼ 187.50 円/Ⅼ 67.50 円/Ⅼ
190.00   ~   195.00  円/Ⅼ 192.50 円/Ⅼ 72.50 円/Ⅼ
195.00   ~   200.00  円/Ⅼ 197.50 円/Ⅼ 77.50 円/Ⅼ
200.00   ~   205.00  円/Ⅼ 202.50 円/Ⅼ 82.50 円/Ⅼ

 ※算出上の代表価格は、刻み幅の中間値とした。

 ※算出上の燃料価格上昇額は、(算出上の代表価格-基準価格)とした。

 ※軽油価格が202.00円/Ⅼを上回った場合は、改定の刻み幅5.00円/Ⅼの幅で算出上の代表価格及び算出上の燃料価格上昇額を

  算出するものとする。

 

 3.サーチャージ額算出のための車両燃費は以下のとおりとする。

車種 燃費
小型車(2tクラス) 〇〇km/Ⅼ
中型車(4tクラス) 〇〇km/Ⅼ
大型車(10tクラス) 〇〇km/Ⅼ
トレーラー(20tクラス) 〇〇km/Ⅼ

 ※〇〇は各運送事業者において設定するものとする。 

 

  4.時間制運賃の場合のサーチャージ額算出のための条件(平均走行距離)は以下のとおりとする。

車種 8時間制 4時間制
小型車(2tクラス) 100km 50km
中型車(4tクラス) 130km 60km
大型車(10tクラス) 130km 60km
トレーラー(20tクラス) 130km 60km

  

  5.端数処理 

 

  端数処理として、円単位に少数を切り上げる。

 

 10. その他

 

   この告示に定めるもののほか、この告示の施工に関し必要な事項は、別に定める。

 

具体的な適用方法

標準的な運賃の設定に当たって想定している具体的な適用方法

1) 適用する運送

標準的な運賃は、一般貨物自動車運送事業者が一般的なバン型車両を

貸し切って運送する場合を念頭に、距離制運賃表および時間制運賃表の

2種類の運賃表を設定している。個々の運送についていずれの運賃表を

適用するかについては、運送する貨物の種類、量、距離、交通事情および

運送に付帯する荷役作業等の諸条件を勘案し、荷主との契約の中で決定

することとなる。()。

※  一般的には距離制運賃表が使用される場合が多いが、時間制運賃表

適用される代表的な場合としては、例えば、

走行キロは短いが、車両を時間的に拘束される場合

大都市の交通渋滞等によって運行効率が著しく低下する場合

短距離を反復してピストン輸送する場合       

等が考えられる。また、標準的な運賃は、人件費や物価等の地域差を

考慮し、下表のとおり

各地方運輸局の管轄区域ごとに10ブロック別の運賃を設定している。

運送事業者においては、運送を行う車両が配置されている営業所の所在地を

管轄する各地方運輸局のブロックの運賃を参考に運賃を設定することとなる。

運輸局

管轄する都道府県

北海道

北海道

東北

青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県

関東

茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県

北陸信越

新潟県、富山県、石川県、長野県

中部

福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県

近畿

滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県

中国

鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県

四国

徳島県、香川県、愛媛県、高知県

九州

福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県

沖縄

沖縄県

 

2) キロ程等の計算

(距離制運賃)

距離制運賃表における運送キロ程の計算は、11回の運送で、発地で

貨物を車両に積み込んでから、着地で車両から貨物を取り卸すまでの

キロ程(貨物を積載して実施に走行したキロ程)による。

従って、事業者の営業所(車庫)から荷主より指定された積み込み場所

までの往路空車回送空間および取卸場所から復路空車回送区間の

キロ程は運送キロ程の対象とならない。なお、運送の途中において、貨物

一部を積み卸した場合は最初に積み込みを行った場所から、最後に取り

卸しを完了した場所までの実車キロ程によることとする。


(時間制運賃表)
時間制運賃表における走行キロおよび作業時間の計算は、使用車両が

荷主の指定した場所に到達した時からその作業が終了して車庫に帰着

するまでについて行う。なお、4時間制の場合であって、午前から午後に

わたる場合は、労働の実態、車両の使用効率からみて、以後の車両の

使用が保証されないことを踏まえ、正午から起算した時間により加算額を

計算することとしている。

 

3) 特殊車両割増

一般貨物自動車運送事業において使用される車両については、運送を

行う品目や運行の形態等に応じてさまざまなものが存在し、車両によって

原価構造が異なる場合がある。

標準的な運賃においては一般的なバン型車両を念頭に運賃表を設計して

いるが、同様の構造の冷蔵・冷凍車を使用する場合については原価調査の

結果に基づき割増率(2割)を設定している。当該冷蔵・冷凍車割増を適用

する場面としては、生鮮食品等の貨物を冷蔵・冷凍機能を活用して運送する

場面等を想定している。また、これ以外の特殊な車両を使用する場合に

ついては、上記の計算方法も参考にしつつ、別途原価計算を行うことが

望ましい。

 

4) 休日割増

標準的な運賃においては、休日割増として、人件費構成比および、

法定割増率を参考に割増率(2割)を設定した。

当該割増率を適用する基準運賃額は、日曜祝祭日の0時から24時の間に

運送した距離に対応した運賃額となる。

 

5) 深夜・早朝割増

標準的な運賃においては、深夜・早朝割増として、人件費構成比および、

法定割増率を参考に割増率(2割)を設定した。

当該割増率を適用する基準運賃額は、午後10時から午前5時の間に運送

した距離に対応した運賃額となる。

 

6) 待機時間料

待機時間料の設定の考え方は1.(3のとおり。

実際の待機時間料の算定は、荷主との間で定められた場所および、時間に

車両が到着してから、荷主側の責によって30分を超えて待機した場合に

おいて30分までごとに発生した待機時間に応じた料金を収受する。

運送事業者側が約束の時間前に車両を到着させるような場合は荷主側の

責によらないものであることから、待機時間料の算定の対象外となる。

なお、時間制運賃表の適用時における待機時間料については、原則として、

基礎作業時間に係る基礎額および基礎作業時間を超えた場合の加算額に

おいて収受することを想定している。

また、あらかじめ距離制運賃表を適用することとしていた運送において、

予期せぬ渋滞等により運行が長期化し、追加的人件費等の費用が生じる

ような場合については、原則として待機時間料の対象とはならないもので

あるが、荷主との合意を前提に、待機時間料に準じて追加的に料金を

収受することや、事後的に時間制運賃表により精算を行うこと等を妨げる

ものではない。

 

7) 積込料、取卸量、附帯業務料

標準的な運賃は、運送の役務に係る原価を前提として計算していることから、

運送以外の役務として別途積み込み、取り卸しその他荷造り、仕分け、

検収・検品等の附帯業務を行った場合には、運賃とは別にこれらに係る

料金を収受する必要がある。積込み、取り卸しその他附帯業務に係る

具体的な料金については、その作業・業務の内容に応じて要するコストが

さまざまであるため、運送事業者において、適切に設定を行う必要がある。

具体の設定方法の例としては、上記待機時間料の設定も参考に、一定の

人件費を基準として、作業の内容に応じて付加的に要する費用等を加味する

手法等が考えられる。

 

8) 実費

有料道路利用料、フェリー利用料等については、運賃とは別に実費として

収受することとしている。

なお、旅費(運転者の宿泊費)のうち通常想定される平均的な額については、

標準的な運賃の設定に当たって間接費額の計算の一環として原価に算入

している。ただし、宿泊を伴う長距離運行が恒常的に発生する場合等、

標準的な程度を超えて旅費が発生する場合においては、これを超える部分

を実費として収受することは差し支えない。

 

9) 燃料サーチャージ

告示に規定する燃料サーチャージについては、別添のとおりとする。

標準的な運賃の設定に係る原価計算においては、燃料費を100円として算出

していることから、燃料サーチャージの基準価格も100円として設定している。

各運送事業者が燃料サーチャージを導入する際は、「トラック運送業における

燃料サーチャージ緊急ガイドライン」(平成24516日最終改定)も参考に

しつつ、当該運送事業者が自社の運賃の設定に係る原価計算において基準

とした燃料費を燃料サーチャージの基準価格として設定することが望ましい。

 

10)その他

標準的な運賃の設定に当たって想定している主な適用方法は上記のとおり

であるが、従来の商慣習上、運送に一定の資格や措置を要する場合等、

個々の運送の実情によるコストの変動に応じて、上記に含まれない運賃

計算方法の特例や、各種割増(*)割引等が行われる場合がある。

運送事業者においては、自ら行う運送の実態等に応じて適切な運賃表の

適用方法を設定する必要がある。

*例:品目割増、特大品割増、冬期割増、悪路割増等

 

 

協会による補足説明

 

タンクローリーの場合、品質基準が厳格で、商品ごとの互換性がないこと

から、本来タンクローリー輸送は専属契約による車両固定が望ましいと

考えています。しかしながら、車両費用も維持費も高額であり、かなりの

輸送量がないと単一商品で専属車を存続させることは困難です。

今まではタンクローリー輸送業界の大半のスポット運行車両は、運送会社の

自社努力で、同等品種内で洗浄して一台の稼働率を上げることによって

維持し、専属契約がない状態の輸送を可能にしてきましたが、過去の

運賃レートを踏襲しており、不採算な輸送が多いのが現実です。

旧来からの運賃基準では輸送能力・品質・安全性を維持するのは限界点

達しています。 まして今後も想定される法令改正や人材確保には到底

追い付いていない状況で、さらに具体的な問題として表面化してくることを

想定しています。

国交省の示した「標準的な運賃」は運送業界のみならず、ご利用者さまにも

ご承知いただくことは安定的な輸送の確立に大きな意味あります。

 

現実的には商品特性や作業基準によって、運行の可否が決定し、さらに

標準的な運賃に加えて別途必要な費用は複数ございます

 

 

 

タンクローリー輸送費用の標準運賃を使った算出方法

 

距離程運賃×特殊車両割増4割  + 高速代(往復) + 荷積・取卸料 + その他経費

 

  その他経費の代表例

    ・ 特殊作業料、延長ホース使用に関する諸費用、その他個別の仕様対応費用

  ・ 時間指定による車両稼働効率低下分の補填費用

   ・ 洗浄料 と 洗浄による待機費用

   ・ 前荷後荷の制約による車両稼働効率低下の補填費用

   ・ 回送費 (積地と拠点が離れている場合)

      

    ※ 食品用タンクローリーは食の安全保障の観点から汎用性が極めて限定的で

     かつ種類別の輸送量は石油系ローリーよりは格段に少ないために

     稼働効率は上げにくく、しかも個別の品質基準による制約が多いため

     関連する付帯経費が多い傾向にあります